良いデザインは、良い経営者がいなければつくれない。

2025.02.18

デザインは本物を超えない

普段デザインをしていて、よく思うことがあります。それは、デザインは本物つまり対象の本質的な魅力を、超えることはないということ。
良いデザインとは、「100点の魅力があるものを、99.9999999点で表現したもの」です。
つまり、良いデザインがそこにあれば、必ずそこには良い想いを持った良い経営者います。そして良いサービス、良い会社があるのです。

デザインを仕事にしていると、「何を魅力として抽出したらいいんだろう」と迷ってしまう人から仕事を頼まれることもあります。
そういうときは、何とか提案の仕方を工夫して、「サービスの質を上げていかないと難しいですよ」「せっかくやるなら企業理念の策定から、行動指針の設計までやりましょうよ」とお話することもあります。

美しいデザインは、美しい想いから。

「このデザイン美しいな」と心のそこから虜になるようなロゴは、きっと美しい人の話を聞いて、その人の仕事ぶりや理念を理解したデザイナーが、その魅力を最大限具現化したものです。
「このデザイン強くて頼もしいな」と思えば、きっと社長はそういう人なのでしょう。

例えば、この「志賀組」さんのロゴを見てみてください。(僕が大好きなロゴの1つです。)
強くて堂々とした。そして頼りがいがある逞しさを秘めたロゴです。

このロゴは、「志賀組」社長の志賀さんという人物を、そのまま形にしたようなロゴです。社長は、大阪で建築業を営んでいらっしゃるのですが、社員の方々を本当に家族として。いえ、現代の家族のあり方を思うと、家族以上の存在として、愛を持って接しています。
お聞きしたエピソードは、「そこまで他人のためにする人がいるんだ..」と、本当に驚きと感動があるものばかり。(ここに書けないのが悔しいくらい良い話ばかり)

志賀組には誰一人、社長とのエピソードがない社員さんはいません。

それも本人は多くは語らず、まわりの人が語ってくれました。

名古屋の現場がある際に社員さんと一度お越しになって、一緒に飲みに行かせてもらいましたが、そのときに社長と社員さんが接する姿は、本当に家族以上の絆を感じました。

そんな家族をまとめあげて、どんな波も力をあわせて乗り越えていく、大船。というのがこのロゴのコンセプトです。

言葉以上の「何か」を伝えるのがデザイン

志賀組さんは、組織の外にいる僕でさえ、語り出したら止まらなくなるほどの魅力がある会社。言葉だけでは表現がしきれません。
そんな言葉だけで表せない「何か」を形にしたのが「ロゴ」です。
デザインは声は発せずとも、伝わってほしいその人や会社の魅力をきちんと伝えてくれるのです。
もし町中でいい本当にロゴに出会ったら、そこには必ず良い人と良いエピソードがあるはずなので、造形を聞いてみてください。

R.D.C.のデザインが良いデザインばかりなのは、良い人との出会いに恵まれているからです。感謝感謝です。

最近「自分たちのデザイン技術が高いから良いロゴができるんだ!つくってやったぜ!」
というようなデザイナーさんが目立ちますが、根本的に彼らと僕らでは、行っている営みが違うと思っています。

僕らは本当に魅力がある会社。でもその魅力がデザインの影響で、きちんと伝わっていない会社のためのデザインオフィスなのです。

名古屋のブランディングカンパニー R.D.C.ディレクター 大石